"さあ、スキーだ"雪がたんまり 道後山一帯にスキーヤー殺到
- 小鳥 原

- 14 時間前
- 読了時間: 1分

今冬一度も雪らしい雪に見舞われず、いたずらにスキーヤーを嘆かせていた鳥取・島根の県境、広島県の奥地である中国山脈支脈道後山地方も、11日朝の気温は一気に今冬最低記録を出し、麓八鉾・小奴可・八幡・田森・東城・帝釈・さらに神石郡東部新坂村地方まで降雪をみせて、待ち草臥れていたスキーヤーを喜ばせた。関西有数のスキー場道後山は、正午積雪量50センチ。全嶺一帯は尺余の白鎧々の銀世界と化した。芸鉄・伯備線など三神線連絡列車はスキー列車に早変って、待ち受けていたスキーヤーが各方面から道後山へ雪崩をうつ雑踏ぶりを示し、ことに道後山駅下車、直ちにスキーによってスキー場に到着するというスキー街道異風景さえ描き出した。また田圃といわず道路といわず同地方一帯が簡易スキー場で、小スキーヤー達は、手造りのスキー具で歓声をあげている。なお寒気はじりじり気味に下る一方で、これが根雪となる模様で、いよいよ本格的スキー季節に入った。
中国新聞1937年(昭和12年)1月12日付


