歌で新しい触れ合い 国鉄山の家寮長高安さん
- 小鳥 原

- 9月14日
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「道後山賛歌」を作る 覚えやすく合唱に最適
作曲は安芸津の坪浦さん
比婆郡西城町の道後山国鉄山の家の寮長高安穂高さん(56)が、国定公園道後山の四季を歌った「道後山賛歌」を作詞した。ハイカーたちと一緒に口ずさむ中で山に対する清らかな印象を高め、触れ合いの輪を広げたいと望んでいる。
道後山賛歌の1番の歌詞は
白く輝く比婆の山 コブシのつぼみふくらんで 雪解けの小川のほとり、フキノトウ 小鳥のさえずり風まだ寒く 山はいま春 山はいま春
2番はヤマボウシ・ツツジ・イワカガミの咲く夏の岩樋山、3番は赤く燃える道後山の秋、4番は新雪のシュプールやストーブを囲んでの談笑を織り込んだスキー場を歌っている。
高安さんは2年前の4月、寮長に就任した。標高1000mの山小屋を守りながら、初対面のハイカーたちの交流の橋渡し役を務めている。触れ合いホールには思い出帳を置いたり四季の花の記録写真を展示し、対話の場を設けているが「みんなで歌える道後山の歌があれば…」と作詞。ちょうど山を訪れた知人の豊田郡安芸津町、会社員坪浦春男(33)が作曲した。
曲は変ホ長調、4分の2拍子のゆったりとしたリズムで、覚えやすく合唱に適している。坪浦さんは作曲の経験が多く「毎日山を見ながら暮らしておられる方ならではの素直な詞なので、山の雰囲気を出すのに最大限の努力をした」という。
完成した賛歌は坪浦さんのギター伴奏でテープに録音。ハイカーたちへ折々に聞かせており好評。高安さんは「団体のレクリエーションやグループの歌謡教室などで覚えてもらえるよう楽譜を用意している。この歌がきっかけで道後山での楽しみが倍加し、また新しい触れ合いが生まれれば、うれしい」と話している。
中国新聞1983年(昭和58年)8月20日付


