15日から芸備線と伯備線を結ぶ2本の準急ディーゼルがお目見えした。
広島から三次・東城・新見を経て米子を結ぶ「しらぎり」(2等3両編成)と、岡山から伯備線経由で新見-東城-三次-広島を結ぶ「たいしゃく」(2等2両編成)の2列車で、伯備線では、準急「しんじ」(宇野-博多)に2列車とも併結されて走る。芸備線の準急はこれまで「ちどり」1号・2号の2本だけだったので沿線の期待は多いが、とくに広島県比婆郡東城町一帯では「ちどり」が木次線経由であったため、こんどが初めての準急とあって喜びもひとしおのようだ。
「しらぎり」(上り広島発8:37米子着13:29。下り米子発15:13広島着20:37)の処女列車のスタートを祝って広島駅では野坂米子市長あての浜井広島市長からのメッセージや事務員に花束・記念品の贈呈が行なわれたほか志和口・向原・吉田口・甲立・三次・東城などの各駅もホームを万国旗や、アーチでかざり、花束・記念品の贈呈やブラスバンドや小学生の鼓笛隊の演奏も行なわれた。
「たいしゃく」(上り広島発13:23岡山着18:38。下り岡山発10:13広島着15:37)の処女列車にも岡山・広島両駅などで、広島・新見市長あてのメッセージ交換や花束贈呈があった。なお15日朝から芸備線の時刻改正が行なわれた。
中国新聞夕刊1962年(昭和37年)3月15日付