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執筆者の写真小鳥 原

腰上げぬ県北の冬

早や北から南から春の訪れを告げるニュースが紙上をにぎわせているこのごろ、県北の山ハダには未だに残雪があり、小雪のちらつく日が珍しくない。27日早朝から比婆郡東部一円はまたまた猛烈な粉雪に見舞われ、午後からは大きなボタン雪に変って夕刻まで降り続いた。比婆郡西城町芸備線道後山駅付近から東城町小奴可地区一帯はこの日根雪のうえに約40センチ降雪があり、写真のように汽車は雪を縫って白銀の世界をあえぎながら進んで行く。彼岸過ぎて七雪という言葉があるように広島県の北海道といわれるこの地方には若草のもえ出る日はまだ遠い。

中国新聞1956年(昭和31年)2月29日付

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