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沿道歓呼の中を初発列車は走る 三神線の初景気上々

執筆者の写真: 小鳥 原小鳥 原

更新日:2024年9月14日


県北民待望の山岳列車三神線全通の10日すがすがしく新線に沿った大阪行初列車はこの日午前10時24分備後十日市駅発"大阪行"の文字も鮮かに4両連結第342号客車を仕立て朗らかな汽笛一声を吹きあげたが沿道は歓喜に湧きかえる地方人で歓送迎され秋の田圃に立った農民も稲束をふりあげ道行く人も歓呼の嵐を浴びせた、同列車乗降人員は起点の備後十日市発は同日庄原町同全通祝賀式参列来賓90名をはじめ試乗者その他一般旅客など400余名に達し2・3等各客車とも超満員で、午後3時備後庄原駅では3500名の乗降人員を取扱った、一方沿線各駅では運転の危険と初荷の縁起を担いで貨物をストックさせ、間日一斉に積出したため、京阪神回りの木炭材木・鉱山品が惣ちにして備後十日市-備中神代間で30余両の初荷が仕立てられ素晴らしい活況的の前奏曲を奏でた。この日同線全通祝賀式挙行の備後庄原町では全町をあげて慶祝気分に溢れ同町長神社秋祭に加えて沸返る賑いを呈し祝賀余興の山車三屋餅・処女会員の舞踊・道中仮装行列各町々の祝賀山車物など全町こぞって楽と踊の歓楽境を実現し身動きならぬ雑沓を呈した。なお同日庄原小学校全校生徒1000余名は本社の小旗を振りかざしながら全町をねった旗行列も一異彩をはなった。

中国新聞1936年(昭和11年)10月11日付

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