気動車新設を陳情
広鉄局へ東城町民代表
比婆郡東城町では芸備線の客車便が北備地方民の利用に不便なのでこのほど町・商工会・青年商工会・観光協会など関係者が広鉄局を訪れ、ダイヤの改正やディーゼルカーの新設をしてほしいと陳情した。
この運動は昨年以来展開しているもので、このたびの陳情の主なものは①広島始発"ちどり号"をもっと早く発車させて備後落合駅822列車(同駅12時20分発姫路行)接続するようにしてもらいたい②芸備線にディーゼルカーを新設して列車の運転回数をふやしてもらいたい③県立公園帝釈峡をはじめ、道後山・比婆山・三井野原スキー場・庄原上野公園・七塚原・三次郷などへ阪神方面から毎年約35万人の観光客が来るので週末列車を増発してもらいたいというもの。
これに対し広鉄局列車課長は①の要求については10月ごろ"ちどり号"をディーゼルカーにかえる計画があるからある程度の希望に添えるのではないか、その他については備後落合駅が岡鉄・米鉄・広鉄のダイヤ編成の谷間にあたるので難しいと答えた。
同町では去る4月岡鉄管理局へ①広島駅始発の備後落合駅止まり終列車に接続するよう②また備後落合駅始発(5時42分)広島行列車に接続するよう新見-落合間にディーゼルカーの新設を陳情したが、これに対し受益者が鉄道債(約1,000万円)を引受ければ要求も可能である旨回答があったので、これとあわせて近く関係者の対策打合会を開くが、細川東城町長はこの問題は備北全体に関連あることなので、備北総合開発計画に組入れてもらうよう要請を行うと語っている。
中国新聞1958年(昭和33年)6月19日付
芸備線などのスピードアップを 夜間の気動車も増発
備北総合開発推進三浦会長ら上京陳情
三次市をはじめ国鉄芸備線・福塩線に沿う各市町村では鉄道のスピード・アップ、増発などを要望する声が高まっているが、備北総合開発推進委員会三浦会長・三次地区官公庁長連絡協議会住司会長・庄原地区同協議会八谷会長・上下地区同協議会長岡会長・双三比婆両郡町村会長・三次庄原両商工会議所会頭らはきたる21日上京して、運輸省・国鉄当局・国鉄労組などに対して次のような内容の陳情をすることになった。
三次地区は西部の広島・東部の福山と並んで県下の政治・交通・文化・商工業の中心であり、陰陽連絡の要衝であるにもかかわらず、列車運行はほとんど戦前と変らない。三次・庄原2市が誕生し、近く中国山脈国定公園指定も実現しようとしている現在、①芸備・福塩・木次線にディーゼル・カーの増発運行を②芸備線広島-東城間に準急の増発を③各線に2等車を増結④芸備・福塩・木次・三江・伯備線の各接続時間の合理的改正⑤山陽・山陰または阪神・岡山方面からの週末列車の運行を、などを要望する。
このような要望は昭和27年ごろから、鉄道を利用する通勤者・商工業者らの間から起り、三次・庄原商工会議所・備北総合開発推進委員会などが中心になって関係各方面への働きかけを続けて来ており、去る10月7日の陳情に次いで、このたびの陳情となったもの。
とくに増発問題については下り広島行列車に三次駅発午前11時5分と午後2時51分の間に少なくとも1列車を増発させること、夜間のディーゼル・カーを増発させて、広島との連絡をふやすことなどが強く要望されているが、車両や要員増加の問題がからんでくるので実現までにはかなりの難関が予想される。
なお21日上京する一行のうち中国山脈国定公園期成同盟会三浦会長らは同時に、厚生省・自然公園審議会などに対してさる13日申請を行って中国山脈国定公園の指定についての実現方を陳情する。
中国新聞1958年(昭和33年)11月15日付
予算面で早期は困難?
芸備線スピードアップなど 細川東城町長帰任談
芸備線・福塩線の列車の時間短縮と落合・新見間に列車を増発して快速"ちどり号"との連絡をよくしてほしいとこのほど国鉄本社に懇請のため上京した関係市町村長のうち、細川東城町長22日一足先に帰城し懇請の模様を次のように語った。
大倉国鉄副総裁に懇請したところ、国鉄の赤字見込み額が本年度110億円にも上るので、予算面からみて早期実現は困難ではないか。しかし他にも例があり、鉄道公債を引受けることが大切だということだった。
また普通列車のディーゼル化には乗り気で有望視されている。
中国新聞1958年(昭和33年)11月23日付