芸備線 当分、部分開通
【岡山】岡鉄局は14日、豪雨で寸断された芸備・福塩両線の最終的な復旧計画をまとめた。芸備線は被害が大きいため全線開通までに手間取り、その間は復旧した部分から開通させて、朝夕の通勤・通学列車だけ運行する方針。
計画によると、芸備線の全線開通は8月14日。それまでに新見-東城(16日)東城-小奴可(21日)三次-比婆山(23日)比婆山-小奴可(8月13日)と順次つないでいく予定。福塩線は府中-上下(15日)上下-塩町(19日)となっている。
中国新聞1972年(昭和47年)7月15日付
復旧作業はじまる 40ヵ所で大きな被害
【東城】土砂くずれなどで寸断されていた芸備線新見-塩町間の復旧作業が15日から始まった。11日夜の不通と同時に、沿線道路も通行不能となり、大型機械などの搬入が出来ないため復旧に手間取っていたが、天候も回復し道路も一部通行可能になったため、新見保線区員ら150人が出動して復旧作業を急いでいる。しかし40ヵ所・約2億円の被害とあって、完全復旧までにはまだ2週間以上かかる見込み。
新見保線区の庄原・東城支区管内で最も大きな被害を受けたのは備後落合-比婆山間の三本木トンネル西口。約150メートルの高さから山崖がえぐられ、くずれ落ちた土砂は80メートルにわたって線路をおおい、トンネルの中はせき止められた水で、ちょうどプールのよう。
また道後山駅から小奴可駅寄り500メートルの地点では両側面のコンクリート壁がくずれ落ち線路を埋めている。近くのかんがい用送水橋も折れて送水不能。地元農民から「日照りがくれば稲が枯れる。早く復旧してくれ」と苦情もしきり。
平松新見保線区東城支区長も「今のところ人海戦術しかない。天気が回復したので全力をあげる」と言っている。
中国新聞1972年(昭和47年)7月16日付