貴族院議員森田福市氏ほか地方有力者らの発起にかかる福山東城間および同線油木から分岐して上下にいたる備後電気鉄道の敷設認可申請書はさきに鉄道省監督局へ回付され各方面の調査進行中のところ不幸鉄道省の火災で提出書類の悉くが烏有に帰したため、このほど鉄道計画者代表森田氏あて再提出をもとめられ、主任技師鳥居国太郎氏は直ちに本省へ発送の手続を了したが、同線は福山市を起点に東城・上下間に連絡し備後北部の交通上、その完成は沿線18ヶ町村民の要望するところで鉄道省でも重要線と産業上認めておることは事実であり、備後鉄道の好転と前途を地方民は期待している。
中国新聞1931年(昭和6年)6月30日付