比婆郡東城町の芸備線東城駅へこのほど東京都豊島区の会社事務員という女性(26)が訪れ、ケース入りの京人形を贈った。
「慰問者が詰めかける老人ホームや身障者の施設に比べ、国鉄職員は見捨てられていると言ってもよい。特にローカル線の駅員の皆さんはたいへんな苦労なのに…」と慰問の動機を話し、名前と住所は「純粋な気持ちなので」と打ち明けなかったという。旅行には必ず鉄道を利用する大の鉄道ファンで、人形教室に通う30人の女性グループで42年から毎年、数回ずつ手分けして全国各地の駅へプレゼントを続け、中国地方は初めてという。
金友利三同駅助役もこの思いがけないプレゼントにびっくりしながら「ご親切を何倍にもしてお客さんのサービスに努めたい」と感激していた。
中国新聞1972年(昭和47年)3月19日付