25日に国鉄が発表したダイヤの改正に対し、比婆郡東城町の芸備線東城駅を利用する通勤・通学者の間から「利用者不在の編成」だと、強い不満の声が上がっている。
改正されたダイヤは、同駅着の朝の列車が上り8時26分・下り8時27分で、現行より上り1分・下り2分とそれぞれ早くなっている。このため昨年10月のダイヤ改正で、この列車の利用者が始業時間に間に合わなくなり、列車の時間に合わせて無理な時間割を組んだり、遅刻者を特別扱いしてきた高校や事業場などは、これまでほとんど変わらない改正ダイヤに「利用者を全く無視している」と不満をぶちまけている。
約100人(利用者の40%)の生徒が列車通学している東城高校の増原弘忠教諭は「これでは、昨年の改正以来続けている30分繰り下げ授業を元に戻せない。生徒のクラブ活動も制限される。せっかく陳情したのに…」と実情に合わせた改正を訴えている。
岡田茂岡鉄局旅客課(48)の話
朝の通勤列車は東城着を早めて出来るだけ利用者に便利なようにした。東城高校の始業時は8時40分なので十分間に合うはずだ。30分繰り上げることは他駅の利用者に大きな影響があるので出来ない。増発も芸備線の利用客の数を考えると無理だ。
中国新聞1968年(昭和43年)8月28日付